ジェンベ音楽について (About:Djembe Music from WEST AFRICA)

 今や世界中の国々で知られ熱い支持を得ているジェンベ音楽は、西アフリカのお祭り音楽です。「ジェンベ(※部族語本来ではジンベと呼称する)」と「ドゥヌン」と呼ばれる太鼓と歌やダンスから成ります。そのスタイルは地域によってそれぞれ多様性があります。また、現在もなお進化し続ける古来から続く伝統音楽でもあります。

 
一本の巨大な木から胴体をつくり、ヤギの革を張ってつくられるジェンベ太鼓は、簡素なかたちからは想像もできないほど幅広い音を奏でることができます(下欄紹介)。 初めて聴く音…けれどもいつかどこかで聴いたような気にさえしてしまう…心踊るような、あるいはどきどきするようなその音色は、色彩豊かに身体に響き、ときに脳裏に潜む心の原風景へと導いてくれる不思議な力を持ってます。

 かつてヨーロッパ諸国に占領された暗黒時代をくぐり抜け、現在、西アフリカにはいくつもの国ができています。そして、それら国々の国境を越えた西アフリカ一帯に農耕部族マリンケ族(マンディング族)の人々はくらしています。※アフリカの国境線はヨーロッパ諸国によって分割されたものです。
 
このマリンケ族(マンディング族)の村々では日常的にジェンベ音楽が演奏されています。お祭りなどの村の特別な行事や祝い事にとどまらず、交友関係を深める場、愛情を育む場、大切な仕事をする場、大人として認めてもらうための通過儀礼の場など、さまざまな生活習慣の中でジェンベ音楽を必要とし大切な文化として親しんでいます。
 たとえばマリン
ケの人たちがジェンベ音楽なしで畑仕事をするなんてことは、まったく考えられないことです。村人全員で大きな漁をするときも同じ。もちろんリズムやダンスの複雑さも、長い伝統を物語るかのように多岐にわたっています。その種類はあまりに多すぎて、誰にも正確な数が分からないほどです。 西アフリカを代表するほど有名な“たくましい男たちのためのリズム”から、“森の秘密を知る狩人のリズム”や“錬金術をおこなう鍛冶屋のリズム”、“幼い少年・少女のためのダンスリズム”まで、老若男女・各職業それぞれの役割ごとに固有のリズムやダンスのステップを持っています。その全てが日々の行事や特別な儀式を通して、は
るか昔より代々伝えられてきたものなのです。

 このような西アフリカの村人たちの魂底にはいつも「調和の精神」があります。それは村(=共同体・家族というものが人々の調和によって成り立っているからなのでしょう。 そして、ジェンベ音楽の中心に据えられているのもまた調和です。「調和」とは、それぞれ個性をもった個々の部分(.リズムフレーズ)がうまく絡み合い、心地よく支え合いながら合い奏でる(アンサンブル)することで、よどみなく流れるように全体(音楽)を構築していきます。ジェンベの演奏者は自分自身の調和とともに一緒に演奏する仲間との調和を常に心掛けています。それは「目に見える世界(=五感の世界)」全体の調和へとつながっていきます。
 
さらに次の次元では、(たとえば村の演奏者の場合)自身が演奏する音楽が「目に見えない世界(=神仏・精霊の世界)」にまで影響を与えることを理解していると言います。一人の人間が仲間とだけでなく、目に見えない世界にいる精霊や先祖の人々とも調和を持って生きることができていて、はじめて『真に精神が健康である』と、アフリカの伝統では考えられているからです。

 西アフリカの人たちにとってジェンベ音楽とは、自身をとり巻くさまざまな世界に調和(良いバランス)をもたらし精神を安定させてくれる超次元の「癒しの音楽」であり、また日常(ケ)の苦悩から離れ心と身体に力をみなぎらせてくれる「お祭り(ハレ)の音楽」でもあります。
 こうした特性を持つジェンベ音楽が今、この音楽に関心を持ち、演奏したり、参加したりして楽しむたくさんの人にとって同じ影響力をもつことと確信しています。

De Djembé Space

 西アフリカの楽器について (About:The instruments of West Africa)


Djembé (ジェンベ/ジャンベ/ジンベ)

 「Djembé(ジェンベ)」というのはフランス語による呼称で、伝統的なマリンケ語では「ジンベ」と呼ぶ。
 かつては村のいくつかある御神木からつくられ、御神木に宿る精霊との交渉や、木を切り倒し太鼓をつくるための儀式などが執り行われていた。ジェンベは魂と魂を繋ぐ聖なる太鼓でもある。
 木の幹からつくられる胴体部分は慎重にくり貫いてあり、足部(筒状の部分)から低音が抜けるようになっている。上面には雌山羊(やぎ)の革を張るのが伝統。打面は毛を剃りあげて仕上げてある。
 ジェンベの演奏は素手で行い、両手を使います。
 基本の音として、「カンッ!」と突き抜けるような高音域の音、「トゥンッ」と低音掛かった中音域の音、「ドン」とお腹に響くほどの低音域の音、の3つの音がある。
 達人ともなるとさらに様々な音を鳴らすことができ、変幻自在のメロディをまるで魔法のように奏でる。


Djembé Folá (ジェンベ フォラ)=ジェンベの達人

 「Folá(フォラ)」とはマリンケ語で「話す」の意。
 文字通りジェンベを使って話すことができる演奏者を讃えて『Djembé Folá (ジェンベ フォラ)』と尊称する。 意味合いとしては日本語の“ジェンベの達人” や、英語の“Djembe Master” に通じる言葉として使われている。


を代表するジェンベ フォラ−
Grand Maître-Djembé (Guinée)
Famoudou Konaté
(ファムドゥ・コナテ師)
Mamady Keïita
(ママディ・ケイタ師)
Fadouba Oulare(ファドゥバ・ウラレ師)

Maître-Djembé (Guinée)
Diarra Konaté(ディアラ・コナテ師)
Nansady Keïta(ナンサディ・ケイタ師)
Solo Keïta(ソロ・ケイタ師)
Sayon Camara(サイオン・カマラ師)

Malinké Ensembles (マリンケ族の音楽性)
 
ギニア地域マリンケ族のジェンベ音楽は、1〜2人のジェンベ伴奏と3人のドゥンヌン伴奏(※下記詳細)、そして1人のジェンベ・ソリストにという編成で演奏される。
 
※これは決まりではなく、地域や場合に応じて様々な編成のバリエーションに変わる。

「Hamana」1996 Mamady Keita&Famoudou Konaté


Dounun (ドゥヌン)/Doundoun (ドゥンドゥン)

 3つの異なる大きさのものがあり、マリンケの伝統では小さい方からkensedenin(ケンスィデニン)、sangban(サンバン)、dounun(ドゥヌン)という名がある。しかし、西アフリカ一般的にはそれぞれkenkeni(ケンケニ)、sangban(サンバン)、doundoun(ドゥンドゥン)と呼ばれることが多い。
※呼び名は地域や部族によって多少異なります。
 最も小さい胴体のkensedenin(ケンスィデニン)よく通る高めの音程、重要なsangban(サンバン)の音は中位、一番大きな胴体であり最も低音を奏でるのがdounoun(ドゥヌン)となる。※dounoun(ドゥヌン)のなかでも大きいサイズのものをdoundounba(ドゥンドゥンバ)と呼ぶ。
この3つを総称してDounun(ドゥヌン)と呼ぶこともある。
 マリンケ族の伝統ではDounun(ドゥヌン)に適した特別な木を用いて作る。胴体部は木の幹をくり貫いた筒状になっており、両面に牛の皮を張る。演奏者は片手に木の撥(ばち)を持ち打面を鳴らす、と同時にもう一方の手で鉄製のベルを鳴らしリズムを刻む
(※写真参照)
 ケンスィデニン、サンバン、ドゥヌンの三つの太鼓は、それぞれ異なった役割があり、それぞれに異なるリズムを演奏し、三つで一つのメロディを作り上げる。そのメロディは人の声や動物の鳴き声などを模倣して生み出されていることが多く、とても複雑で高い音楽性を持っている。ジェンベ音楽の要(かなめ)とも云える兄弟太鼓である。

小:kensedenin/kenkeni (ケンスィデニン/ケンケニ)
中:sangban (サンバン)
大:
dounun/doundoun(ドゥヌン/ドゥンドゥン)
特大:doununba/doundounba(ドゥンヌンバ/ドゥンドゥンバ)
 ※呼び方は西アフリカのなかでも地域や部族によって異なります。
Sangban-Folá (サンバン フォラ)
Doundoun-Folá (ドゥンドゥン フォラ)


FantaDiawara/Guinea




Griot
(グリオ)、 Djéli/Djali(ジェリ/ジャリ)

 文字を持たないアフリカの文化の中で生まれた、歴史を記す歌唄いのこと。 
 西アフリカ特有の存在でもある。
 1人の人間の生き様、先祖代々の歴史、人々が大地に刻みつけてきたもの…ありとあらゆる出来事を歌によって記憶し人々に伝えることのできる歌人たちのこと。 人々に笑いを、涙を、勇気を与えることのできる特殊な技能を持つ。 マリンケ社会においてGriotは非常にたくさんの役割を担う稀有の存在ある。彼女たち(あるいは彼ら)は歴史家であり、忠告を与えるアドバイザーであり、揉め事を解決できる仲裁人である、と同時に、人々を讃える歌い手であり、様々な物語の語り部でもある。
 歌うことで昔話と伝統を維持していくGriotの能力と技術は、家系・世代を通して代々継承されてゆく。
 Griot(グリオ)のことをマリンケ語では、「Djéli(ジェリ)」あるいは「Djali(ジャリ)」と呼ぶ。それは「血」を表す言葉であり、脈々と受け継がれてゆく道程を意味している。



Karinyan (カリニャン/カリヤン)

 女性のGriot(グリオ)=Djali(ジャリ)が歌を唄うときに使用する鐘(ベル)。 「カンカラ♪カンカラ♪カンカラ♪カンカラ♪」と鳴らしリズムをとる。数百年も前から存在すると云われているとても古い楽器。


        
Balafone (バラフォン)

 西アフリカで生まれた木琴。男性のGriot(グリオ)によって用いられ、代々継承されてきた歴史を持つ。打楽器でありながら、メロディ楽器でもある。
 Balafo(バラフォ)という硬質でとても響きのでる木を板状にし、音階順に並べてある。それぞれの木板の下には瓢箪がぶら下がっており、木板の音を拾って響かせる増幅器(スピーカー)の役割を果たしている。さらに、この瓢箪にはちょっとした仕掛けが施してあり、木の響きそのままの音ではなくザラザラとした複雑な音の響きがでるようになっている。
 また、Balafone(バラフォン)を演奏するための撥(ばち)もとても重要で、演奏者は厳選されたものを使う。非常に複雑な音楽性を持つため専門的な知識と経験を必要とするとても高尚な楽器。
 歴史的にはBalafone(バラフォン)がヨーロッパに伝わり西洋楽器マリンバが生まれたと言われている。

Bakafon-Fola (バラフォン フォラ)


       

Ba Cissoko(バ・シソコ)
/Guinée ,Conakry


Cora (コラ)

 世界で最も美しい音楽を奏でることのできる21本の弦楽器。
 かつて王宮・王族に仕えたGriot(グリオ)によって用いられ、今日まで伝承されてきた。その圧倒的な音楽世界は聞く者の魂までも惹き込み、異世界へと連れて行くことができる。Balafone(バラフォン)と同じくとても高度な楽器。

       
Bölön (ボロン)

 マリンケ族にとても古くから伝わる3本弦のベース楽器。胴体部分は大きなひょうたんを切り合わせ、その上を山羊(やぎ)の皮で包みこんである。横にある穴から音が増幅されて出てくる仕組みで、たいへんよく響く。指で弾く3本の弦は、革でできており西洋楽器ウッドベースを凌ぐほどの深く・豊かな・重みのある低音を奏でることができる。
 伝統的には男性のGriot(グリオ)の楽器。お葬式やお守りを作る儀式など、特別な席で歌とともに演奏されてきた。
 西アフリカ各地には、ボロン独自の音楽がいくつも存在し、共同体の中で静かに、厳かに、次の世代へと受け継がれている。 

Tama (タマ/トーキング・ドラム)

         
Gongoma (ゴンゴマ)

 ギニア・コナクリで生まれた。瓢箪とノコギリの刃でできている鍵盤楽器。歌とともに演奏される。

Shekele (シェケレ)

Fe (フェ)
Dyi Dunun (ギ・ドゥヌン)

 瓢箪を水に浮かべた瓢箪の太鼓

Wassanba (ワサンバ)

 子どもたち(男の子)が儀式で使う楽器。振ることで瓢箪の輪っかが重なり音が出る。ダンスとともに用いる。

          
Krín (クリン)

 森林部族の楽器。木を3方向からくり抜き、3〜4種類の音が出るようになっている。木の棒を2本使い両の手で演奏する
The Magic of Traditional music of the Malinke pt.1 (YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=XO7kfnSDa-s

The Magic of Traditional music of the Malinke pt.2
(YouTube)
http://www.youtube.com/watch?v=kcJf0JAlzTQ